こんにちは。

最近朝コーヒーの習慣を始めたんですが、SEIYUやグルメシティなどの大手スーパーではPB(プライベートブランド)の缶コーヒーがなんと約40円で売っているとか。

この情報を知って歓喜に湧いているひろ太です。

 

さて話は変わりますが

先日「『百田尚樹講演会中止騒動』の真相は?一橋大生が語る『KODAIRA祭』の実情」という記事を書いたのですが

「百田尚樹講演会中止問題」の真相は?一橋大生が語る「KODAIRA祭」の実情(前編)

「百田尚樹講演会中止問題」の真相は?一橋大生が語る「KODAIRA祭」の実情(後編)

 

KODAIRA祭が終わって二週間が経った6/22(木)、この騒動に関して一橋大学大学院言語社会研究科が「ある声明」を発表しました。

『人権尊重についての声明』と題された文書の内容は、次のようなものでした。

一橋大学大学院言語社会研究科

人権尊重についての声明

2017 年 6 月 22 日

一橋大学大学院言語社会研究科

 一橋大学第 21 回 KODAIRA 祭講演会企画およびその開催中止をめぐって、現在、誹謗中傷、 ヘイトスピーチとみなしうる多くの発言が、インターネットなどのメディアを通じて拡散され、 言語社会研究科所属の一部学生が、執拗な攻撃により人格の尊厳を傷つけられ、心身の安全すら脅かされているという事態に、わたしたちは憂慮を深めています。

一橋大学は 2016 年 12 月発行『ハラスメント防止ガイドライン』の「人権とは何か/ハラスメントとは何か」において、「差別なく学ぶ権利や教育研究を行う自由を保証することは大学の社会的責務」であると明言しています。大学のすべての構成員は、このガイドラインを遵守するとともに、ガイドラインが参照するところの日本国憲法および世界人権宣言の精神に基づき、 いかなる人も差別を受けることなく、安心して学問研究に携わることのできる環境を築き、それを不断に改善していく責務を負っています。

言語社会研究科は、世界のさまざまな地域の言語と文化の教育研究を行う場であり、国際性と多様性は、研究科における研究と教育の根幹を成すものです。本研究科は留学生や外国籍の学生・教員・スタッフをその構成メンバーに含む、根本的に多様な知的空間です。この知的空間の構成員の人権を脅かすあらゆる行為を、わたしたちは看過できません。

ヘイトスピーチは、人種・民族・国籍・社会的境遇・世系・心身の障碍・ジェンダーおよび セクシュアリティなどの点で少数者的立場に置かれた集団もしくは個人に対する差別煽動であり、わたしたちは「表現の自由」の名のもとにかかる行為を擁護することはできないと考えます。多様な属性をもつ人々が精神的圧迫を受けることなく、対等に議論に参加できてこそ「表現の自由」は確保されるのであり、言葉の暴力により他者を威嚇し、抑圧することは、そのような議論を阻害する行為にほかなりません。日本国政府は 2016 年 6 月から「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」を施行して、「人々に不安感や嫌悪感を与え」「人としての尊厳を傷つけたり,差別意識を生じさせることになりかね」ないヘイトスピーチの解消を法律で定めています。わたしたちは法令の精神を尊重し、これを遵守します。

言語社会研究科教員一同は、本研究科所属の学生の静穏な学習、研究を脅かす、根拠のない流言や、ヘイトスピーチなどの差別的・暴力的発言が横行する状況を強く遺憾とし、あらゆる ひとびとの人権が尊重されるキャンパス実現のために、今後とも努力をしていく決意をここに表明します。

(出典:http://gensha.hit-u.ac.jp/2017HR.pdf

この声明文が意味するところは何なのか、順を追って解説していこうと思います。

一部大学院生がネット上で攻撃を受けている?

冒頭部分には、言語社会研究科所属の一部学生が、執拗な攻撃により人格の尊厳を傷つけられ、心身の安全すら脅かされているという事態とありますが、

おそらくこれは「ARIC(反レイシズム情報センター)」を指していると思われます。

ARICの代表を務める梁英聖(リャン・ヨンソン)代表(34歳)は、自身のTwitterでレイシズム・ヘイトスピーチに反対する旨の様々な発言を行っています。

また梁氏はヘイトスピーチに関する書籍も出版しています。

『日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場』(影書房)

 

しかし彼の反ヘイトスピーチ発言に対して、ネット上でかなり辛辣なリプライを返す人も少なくありません。

梁氏のこの発言に対し、

また、梁氏と同じ一橋大学大学院言語社会研究科に所属し、「一橋生有志の会」にも所属していたと公言する「耕平」という人物にも批判が集まっています。

この耕平氏の発言に対し

ここで一度、百田尚樹講演会反対運動に関わった団体について整理しますと、

  • ARIC(反レイシズム情報センター)
  • 講演会中止を求める一橋生有志の会
  • 有志の教員の約60人

この3つの団体が今回の反対運動の中核でした。

中でも梁氏が代表を務めるARICは、今回の騒動に関する誹謗中傷のタ―ゲットになっています

しかし反対運動を行った側の話によると、反対運動の中心だったたのはARICではなく「一橋生有志の会」であったとのこと。先程の耕平氏のツイートでもそのような話がありました。

これはKODAIRA祭前に行われた反対派による署名活動報告会のビラです。このビラによると「主催:一橋大学在学生学生有志の会」となっており、確かに「有志の会」も反対運動の中心団体として活躍していたことが分かります。

にも関わらず、在日韓国人である梁氏と同氏が代表を務めるARICにばかり批判が集まっているため、反対運動を行った側も「人種差別ではないのか?」と主張する展開になっている、というのが現在の状態です。

関係者のTwitterを見てみると、差別用語を含む過激な発言も多く見られます。KODAIRA祭自体は終わりましたが、その過程で起こったトラブルや衝突は今もなお続いているのです。

 『ハラスメント防止ガイドライン』とは?

『ハラスメント防止ガイドライン』は、2016 年 12 月に一橋大学内で発行された、大学側が学内でのあらゆるハラスメントの発生を防止するための手引きをまとめたものです。

そこではハラスメントについて、

「ハラスメントとは、人間としての尊厳を侵害する行為であり、人に対する思いやりと敬意を欠いた行為」

であると定義し、

「一橋大学(以下「本学」という)は、すべての学生と教職員の人権が尊重され、ハラスメントを受けることなく、本学において修学・教育・研究し、就労することができる環境を享受できるよう努めます。

万一かかる事態が生じた場合には、問題解決のため必要な措置をとることを宣言します。」

とされています。

本ガイドラインでは、ハラスメントを

  1. セクシュアル・ハラスメント
  2. アカデミック・ハラスメント
  3. パワー・ハラスメント
  4. 妊娠、出産等に関するハラスメント及び育児休業等に関するハラスメント
  5. アルコール・ハラスメント

の5つに分類しています。

このガイドラインが策定された当時、授業後にアンケート用紙が配られ「部活動でコーチや先輩から恫喝されたことはありますか?」「飲み会でイッキ飲みを強要されたことはありますか」などの項目があり、私も回答した覚えがあります。

当時はヘイトスピーチ対策法などが成立し、言論に関して社会的に敏感になっていた時期でもありましたので、その流れを受けて一橋大学でも本ガイドラインが制定されました。

一通り目を通してみると、「あ、これもハラスメントなんだ!」という発見があって個人的には面白かったです。皆さんももしかしたらハラスメントに当てはまるような行為をした/されたことがあるかもしれませんので、興味がある方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか。

→ ハラスメントの防止等について | 一橋大学

ハラスメントの事例を挙げると、例えばパワハラについては部活やサークルで

  • 女子マネージャーに深夜までの部活につきあわせる
  • OB や OG が自分たちが学生だった頃の慣習を押しつける。

これらの行為がパワハラに当たります。またアカハラ(アカデミック・ハラスメント)では

  • 正当な理由なく、研究室の立ち入りを制限したり、ゼミのメーリングリストからはずす。
  • 「放任主義だ」といって、研究指導やアドバイスを一切しない。

このような行為が該当するそうです。

このハラスメント防止ガイドラインを策定することで、一橋大学は

「差別なく学ぶ権利や教育 研究を行う自由を保証することは大学の社会的責務です。本学が世界中の留学生を受入れ 国際化するなかで、人権意識を向上させていくことがますます求められています。」

と宣言し、「大学=自由な学問の場」としてハラスメントに反対する立場を表明しているわけです。

そして本ガイドラインの根拠は、

  • 日本国憲法が定める法の下の平等思想・良心の自由学問の自由
  • 世界人権宣言「すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、 国民的若くは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる」

にあります。

つまりこの「人権尊重についての声明」は、今回の騒動で一部の学生が受けている批判・誹謗中傷を「ハラスメント」であるとし、学生を保護するという大学側の意思表明と言えるわけです。

(後編につづく)

>>>後編記事はこちら